DHC研究会
はじめに
現在、都市における省エネルギー・省CO2対策として、エネルギーの面的利用の検討が行われている。地域冷暖房システムはエネルギーの面的利用の核になりうると考えられ、地域冷暖房プラント間やコジェネレーションシステム、またごみ焼却場の排熱との連携を図り、エネルギーを融通しあうことが望まれる。しかし、検討のベースとなる地域冷暖房施設の運転データは十分に公開されているとは言えず、今後の地域冷暖房施設の普及やエネルギーの面的利用の検討のためには更なる情報公開が求められる。そこで本研究では、既存の地域冷暖房施設の熱供給能力を時刻別単位で推定する手法を提案し、地域冷暖房施設の余剰能力利用により、安定的な面的供給の可能性の検討を行う。その為に、まず都内の既存地域冷暖房施設の実態調査を行った。そこから、地域冷暖房施設の熱製造量、機器効率、熱ロスの実態データをベースとし、現状における地域冷暖房施設の蒸気製造量を推定する計算式を作成した。最後に東京都心部における既存地域冷暖房プラントの時刻別蒸気製造量を推定式及び実態調査より把握し、余剰能力による面的熱供給の可能性を検討を行う。
研究概要
概要書ダウンロード[PDF 3.08MB]熱負荷密度マップ

都心部熱源分布図

都心部蒸気熱源ネットワーク試案図
